大型免許をお得に取る方法は?メリットや費用、資格の概要について。

普通免許を持っている方の中には、大型トラックや観光バスなどを運転できる「大型免許」の取得を考えている方もいるでしょう。近年、インターネットの通販なども発達もあり、物流にスポットが当たる機会が増えています。人手が不足している大型免許の運転手は、取得すれば給料のアップや転職に大いに役立ちます。とはいえ、大型免許の資格を取得するのは、費用が高めでため息をついてしまう方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、大型免許の取得条件やメリット、取得方法、費用、お得に取得できる方法についてご紹介します。大型免許の取得に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

大型免許のお得に取る方法は?

大型免許の取得資格と概要

大型免許を取得するためには以下の条件が必要になります。 まずは、大型免許を取得するために必要な条件について詳しくご紹介します。

大型免許取得に必要な年齢・経歴。

何も免許を持っていない人がいきなり大型免許を取得することはできません。 普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得して、その運転経歴が通算して3年以上あることが必要です。そのため、年齢条件は最低でも満21歳以上になります。

必要な視力

普通自動車よりも大きな大型自動車を運転する場合は、普通自動車免許よりも視力検査の条件が厳しくなります。
大型免許の場合:片眼でそれぞれ0.5、両眼で0.8以上
※普通免許の場合:片眼0.3、両眼0.7以上だったので、より厳しくなります。視力検査ではメガネ・コンタクトレンズは使用可能です。※カラーコンタクトやディファインのコンタクトは使用できません。

深視力検査

普通車との一番の違いは通常の視力検査の他に「深視力検査」があること。これは、現役ドライバーでも苦戦する方がいます。
深視力とは、物体の「遠近感・立体感・奥ゆき・動的な遠近感」などを捉える目の能力のひとつで、普通車よりかなり大きな大型車を運転するために必要な検査です。
この深視力検査は「三桿法(さんかんほう)」と呼ばれる測定方法で行います。
どんな方法かは下のイラストを見てください。
箱の中で3本の黒い棒が並び、真ん中だけ前後に動いています(近づく・遠ざかるを繰り返す)。棒の上下が見えない状態で箱の中を覗き込み、「3本の棒が横一列に並んだ!」と思った瞬間にボタンを押します。止まった棒の中心からのズレを測定します。
これを3回行い、平均2cm以内なら合格です。

深視力検査の説明

事前に視力を計り、十分な視力が出るようにメガネ・コンタクトを作っておいたり、しっかり目を休ませてから臨みましょう。不安なら事前に視力の測定や、「深視力が出るようにしたい」と眼科や眼鏡屋さんに相談してみるのも手です。

聴力の条件

10メートルの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえる必要があります(補聴器は使用可)。
その他、耳に関する持病をお持ちの方や聴力に不安がある方は、お住いの都道府県の運転免許試験場に事前に相談してください。

その他の検査

色彩識別

色彩識別検査では、取得する免許の種類に関係なく、一律の内容で「赤・青・黄色」の識別ができることが求められます。簡単にいえば、一定の距離から信号機の色が識別できるかどうかを検査するものです。

その他の検査

その他にも、運転能力検査といって自動車を運転するのに支障を与える障害がないかどうかも検査されます。


大型免許の概要

ここでは、大型免許を取得することで運転できる車や取得するまでにかかる期間についてご紹介します。

大型免許で運転できる車

大型免許を取得すると、大型自動車はもちろんのこと、中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車を運転することが可能です。
大型自動車とは、「車両総重量が11トン以上」「最大積載量が6.5トン」「乗車定員が30人以上」のいずれか1つを満たした車両をいいます。
大型自動車はカーブを曲がるときの内輪差(前輪と後輪が通過する位置のズレ)が大きいことや、運転席が前タイヤの上付近にあることから、普通自動車とは異なった運転感覚が必要になります。車両の周りの死角も多くあるため、運転するときは安全確認がより求められるのが特徴です。
路線バスや観光バス、マイクロバス、タクシーなど、人を運搬し運賃が発生する車を運転する場合には第二種免許が必要です。

大型免許取得までにかかる期間

大型免許を取得する場合の教習カリキュラム期間は、所持している運転免許によって異なります。

例えば、中型8トン(MT)を所持している方が合宿免許で取得する場合、技能教習の20時限のみで教習期間は最短10日間になります。また、普通一種(MT)の免許を所持している場合、技能教習30時限と学科教習2時限で最短14日間かかります。

大型免許と中型免許の違い

◎大型車両
・車両総重量:11トン以上
・最大積載量:6.5トン ・乗車定員:30人以上 ※いずれかを満たした車両

◎中型車両
・車両総重量7.5トン以上11トン未満
・最大積載量4.5トン以上6.5トン未満
・乗車定員11人以上29人以下
車両の寸法に決まりはなく、重量要件さえ満たしていれば全長12メートルの車両でも中型免許で運転できます。主に、マイクロバスや4トントラックを運転するのに必要な免許です。 取得するまでにかかる期間は、大型免許同様にすでに所持している免許によって異なります。

例えば、普通車(MT)を所持している場合は最短8日間で取得することが可能です。つまり、中型免許は大型免許よりも2日間ほど短い期間で取得できることが特徴です。


大型免許との同時取得可能な免許

けん引免許

大型免許を取得する場合「けん引免許」の取得もできます。 けん引免許とは、自動車の後ろに750kg以上の車を連結し、それを引っ張りながら運転するために必要な免許です。代表的な車として、トレーラーや、タンクローリー、キャンピングトレーラーなどがあります。運送業などの荷物を運ぶ仕事で活躍できます。会社によっては収入も上がることがあるため、チャンスがあれば取得を検討してみることをおすすめします。

大型特殊免許

さらに、けん引免許だけでなく、「大型特殊免許」の取得もできます。 大型特殊免許とは、多くの作業現場で活躍している「大型特殊自動車」を運転できる免許です。代表的な自動車として、ブルドーザーやクレーン車、除雪車などが挙げられます。大型特殊免許を合わせて取得することで、多くの作業現場で働くことが可能となります。


大型免許取得の方法

大型免許の取得方法は大きく分けて、「指定自動車学校で取得する場合」と、運転免許試験場に直接行く「一発試験」の2つの方法があります。
ここでは、それぞれの取得方法についてご紹介します。

指定自動車学校で取得する場合

1.第1段階(教習所内での教習)
2.修了検定(仮免試験)
3.第2段階(路上での教習)
4.卒業検定
5.免許試験場にて適性検査
6.免許の交付
第1段階の修了検定に合格し仮免許証が発行されたあとに、第2段階の技能教習・学科教習を受けるという流れです。これらの教習をすべて終え卒業試験に合格することができれば、あとは免許試験場に行き、視力や聴力などの適性検査を受けて大型免許発行となります。

指定自動車学校で取得する場合

一発試験の場合は、以下のような流れになっています。
1.適性検査
2.構内試験(仮免試験)
3.路上講習
4.路上試験(本試験)
5.取得時講習
6.免許交付
一発試験の場合でも1日で終わるというわけではありません。路上講習には10時間の路上練習走行が必要で、1日2時間を上限としているため最低でも5日以上かかるのが一般的です。 路上講習の際は助手席に「3年以上大型免許の運転経験がある方」の同乗者を確保する必要があります。
そのため、一発試験は費用面でメリットは大きいものの、教習所で取得するよりも大変なことが多いです。


大型自動車免許取得にかかる費用

大型自動車免許取得にかかる費用は、現在所持している免許(普通車のみか、中型を所持しているかなど)や、「合宿免許」「通学免許」「一発試験」によって異なります。最後に、それぞれの費用についてご紹介します。

取得費用:教習所に通学する場合

教習所に通う場合の費用相場は、取得している免許によって値段が変わります。 例えば、普通免許(MT)を持っている場合は35万円前後、中型自動車免許(8トン限定)を持っている場合は25万円~30万円前後が一般的です。ただし、普通免許(AT限定)の場合だと限定解除が必要になるため、さらに高くなります。

取得費用:合宿免許の場合

合宿で取得する場合は、取得している免許だけでなく、教習所や地域によって料金に差があります。しかし、一般的に教習所に通う費用よりも少し安くなります。具体的な費用としては、中型免許(8トン限定)を取得している場合は最低19万円前後の費用がかかるのが一般的です。また、普通免許(MT)を所持している場合は26万円前後の費用がかかります。

取得費用:一発試験の場合

一発試験の費用は地域によって変わりますが、「仮免を取得する構内試験」では約5,500円、「路上試験・本試験」では約8,650円、「大型免許交付時に必要な取得時講習」には約22,000円がかかります。これらには、受験料や試験車使用料、免許交付料金も含まれています。
費用の面から考えると、一発試験はかなりメリットがあるといえます。
しかし、一発試験の場合、試験に使用する車両が法改正により「8メートル」から「12メートル」に変更されたため、試験のハードルがさらに上がりました。 そのため、確実に免許を取得したい方はやはり教習所に通学するか、合宿免許を選ぶことをおすすめします。


教育訓練給付制度

「免許は取りたいけど、費用が高くて受けようか迷っている...」という方におすすめなのが「教育訓練給付制度」です。教習所によって利用できるところがあります。 教育訓練給付制度とは、厚生労働省が認めた資格の取得を目指す人が専門学校や通信教育などを活用した場合、入会金や受講料の費用の一部を国が負担してくれる制度です。 こちらの制度を利用すれば、教育費の最大20%(上限10万円)が教習の終了後にハローワークから支給されるため、免許の取得費用をおさえることができます。

まとめ 今回は大型免許の取得資格やメリット、取得方法、費用などについてご紹介しました。 大型免許を取得すれば自動車免許の中でも運転できる車種が多くなるため、職業選択の幅が広がります。運送業界では大型トラックの運転手が慢性的に不足しているため、収入面などの待遇の良い傾向があります。
費用面で悩んでいる方は、教育訓練給付制度を利用したり、合宿で免許を取得したりすれば安く免許を取得することが可能です。
運転技術を活かした仕事に就きたい方や新たな職域にチャレンジしたい方は、大型免許の取得をぜひ検討してみてください。

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